直前で有力牝馬(スノーフェアリー、デインドリーム)の回避は残念だがオルフェーヴルが完全に仕上がった模様。一段と今までになかった筋肉もついてきたというから池江厩舎渾身の仕上げで本番に臨むことになる。気性の難しい馬だから同きゅう舎のアヴェンティーノが出走というのも心強い。Aクラストゥスの後ろにスミヨンがつければ直線で前が空けてもらえるだろう。今年は18頭だけにどんな展開になるかわからないが、チーム池江として完璧なレース運びをしてもらいたい。 オルフェーヴルの枠順は大外18番枠とのこと。できれば内枠に入れたかった。陣営歓迎とのことだが、この馬前に馬がいた方がかからないで済むし馬軍のインコースでじっとしていたかったことだと思う。最近の凱旋門賞では18頭というのは多いから当然有力馬はインコースを激しくとりに行くだろう。このあたりスミヨンがどういった乗り方をしてくるか。ロンシャンを熟知している天才だし、出たとこ勝負なのかもしれないが、大外時点で不利になるので無理にインコースに入れなくてもよい気がしてきた。 阪神大賞典の時はかかってしまって逸走してしまったが、スミヨンなら2戦目で調教でもまたがっているからこの馬の気性を熟知しているはずだし、もともと気性が激しすぎるが故、内枠に入れたいはずだったはず。その点騎手がオルフェーヴルを手なずけているのであれば、わざわざ激しい内枠争いに入らなくても外々を気分よく走らせてもいいはずだ。アヴェンティーノとの2頭の位置取りは日本の競馬ファン必見だろう。クラストゥスとクリストフ・スミヨンの阿吽の呼吸を期待したい。 特に怖いと思っているのはキャメロット。今回はデットーリを配して万全を期してきた。イギリス2000ギニー、ダービー、そしてアイリッシュダービーとすべてレースを見てきたがかなり強い。オブライエンが騎乗したどのケースも後方待機から直線で爆発といったイメージがあるが、今度はデットーリ。セントレジャーが後ろから行き過ぎて前が詰まった経験を活かして積極的な先行策に出てくるかもしれない。父親はモンジューだけにロンシャンが苦手ということはないだろう。 キャメロット。この馬の血統を眺めていると生産者が意図的というような血統背景になっている。いささかノーザンダンサー&ナタルマの血が強すぎるきらいがあるが、とてもきれいに配置された構成だ。サドラーズウェルズ、ヌレイエフ、ダンチヒと随所に大物種牡馬が配置されておりヨーロッパの深い芝は強そうだ。 サオノワはフランスダービー馬。チチカステナンゴを父親に持っており面白い存在。レースぶりは映像で見たが、ロンシャンに慣れている分強みはある。ただ、個人的な感想となるがキャメロットのような華やかさはどうだろうか。 馬券として買うなら、オルフェーヴルとサオノワのワイド一点勝負というのは面白い。いくらデットーリが騎乗するとはいえ、初コースでフランス遠征というのはリスクが高い。倍率も低いだろうから馬券的な妙味はキャメロット&オルフェではなく、サオノワだろう。地元有利の3歳馬。牝馬だがザルカヴァも想起させる。 オルフェーヴル、日本ダービーを最高パフォーマンスという人も多いが、個人的には昨年の有馬記念は度肝を抜く強さだった。超スローペース(当日は条件船よりもタイムが遅かった)を後方から大外をまくって差し切ってしまうのだから恐れ入る。エイシンフラッシュにしてもトゥザグローリーにしても日本トップクラスの馬。4着のルーラーシップは今年香港のGIを勝った。それを斤量差があったと言えいとも簡単に大外をぶん回して勝ってしまうのだからエンジンが違うと言わざるを得ない。 ディープインパクトの場合は、圧倒的に強さで勝った馬だった。体重も軽くまさに飛んでいきそうな軽快さが印象に残る。反面オルフェーヴルは重戦車のイメージがある。兄のドリームジャーニーは場体重は軽かったがステイゴールドにメジロマックイーンという重厚な血統が今のオルフェには見受けられる。欧州の芝も克服するような戦車であるならばおのずとゴールは見えてくる。 PR |